この記事で解決できる悩みや疑問
- 野球ノンフィクションで面白い本がないか探している
- 「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」の概要を知りたい
- 「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」はどういう人にお勧めなのか知りたい
先日、会社の同僚がチャットにこのような書き込みをしていました
野球ノンフィクションは当たり外れがあるので、あまり読まないのですが、興味をもって読んでみました
すると、間違いないく過去の野球ノンフィクションでNo.1の作品でした!
※ちなみに、それまでは矢崎良一さんの「松坂世代」がNo.1でした
そこで、この記事では「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」の概要と雰囲気、どういう人にお勧めなのかを解説していきます!
この記事の内容
- 「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」概要
- 「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」1章、2章の内容
- どういう人にお勧めの本なのか
この記事を読むと、嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのかがどういった人にお勧めなのかがわかります!
では、解説していきます
「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」概要
中日ドラゴンズの監督を2004年から2011年まで、約8年間務めた落合博満とドラゴンズの選手/スタッフの姿を追ったノンフィクション
本の構成
8年間の中でトピックとなる選手/スタッフに焦点を当て、全部で12人のエピソードから、落合監督という人物を浮かび上がらせていきます
扱われる12人は選手に留まらず、6章のスカウト部長、10章の球団編成担当まで広がります
書籍内で扱われる12人
- 第1章:川崎憲次郎
- 第2章:森野将彦
- 第3章:福留孝介
- 第4章:宇野勝
- 第5章:岡本真也
- 第6章:中田宗男(スカウト部長)
- 第7章:吉見一起
- 第8章:和田一浩
- 第9章:小林正人
- 第10章:井出峻(球団編成担当)
- 第11章:トニ・ブランコ
- 第12章:荒木雅博
本の著者
著者は鈴木忠平さん。日刊スポーツの元ドラゴンズ担当記者です
落合監督が次期監督として噂され始めた直後に、上司命令で落合の元に行ってから、以降、監督辞任までの8年間、片時も落合監督から離れずに追い続けました
落合監督は一人で取材にやってきた記者にはちゃんと向き合う方針があり、だからこそ、書けた1冊なんだと思います
鈴木さんにしか書けなかった本だと思います
鈴木さんはこの本で、史上初のノンフィクション3冠の賞を受賞しています
・大宅壮一ノンフィクション賞
・講談社本田靖春ノンフィクション賞
・新潮ドキュメント賞
本を通して、鈴木さん自身の記者としての成長も垣間見えるのがまた、面白いのです
「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」1章、2章の内容
当初、本の内容にそこまで期待をしていなかった私ですが、読んでみようと気持ちを強く動かしたのは第1章のタイトルでした
第1章 川崎憲次郎 スポットライト
川崎?あのヤクルトのエースだった川崎憲次郎?そういえば、中日で落合監督の時、開幕投手を務めたんだっけと思い出しました
なぜ、落合監督は川崎選手を開幕投手にしたんだろう。その答えを知りたくて、私はこの本を読み始めたのです
しかし、読み始めて、すぐ、この本はそんな軽い本じゃないと気がつきました
第1章に漂っていたのは、川崎選手の圧倒的な覚悟と緊張感です
FAで総額8億で中日に移籍してきてから、3年間1度も登板なく給料泥棒と罵られてきた川崎選手
オールスターではファンからの皮肉で、投げられない川崎選手がファン投票1位になる現象も起こり、川崎選手は誰よりも悔しさを抱えていました
4年契約最後の年、誰でも気合が入るその年に、川崎選手は落合監督から開幕投手を指名されます
ただ、実際は服を着替えることもままならないほど、右肩は壊れていたのです
それでも、「いけます!」と川崎選手は返事をしました
1軍のマウンドにさえ登れば、奇跡が起こるのではないか、肩は動くのではないかという淡い想いからでした
開幕投手は自分であるということは、落合監督と川崎選手だけの秘密でした
開幕当日、不安と期待を抱え、川崎選手はマウンドへあがっていきます
川崎選手は開幕試合の後、落合監督と何を語り合い、どのような気持ちになったのか
そんな内容が第一章には書かれています
第2章 森野将彦 奪うか奪われるか
この章も壮絶でしたが、まずはこの動画を見てください
プロ野球選手が、こんなボロボロになってる姿をあまり見たことないですよね
森野選手が、このノックをどういう気持ちで受けているか、それが第二章には書かれています
圧倒的な技術もパワーも備えていた森野選手に足りないもの、それは「飢餓感」でした
そんな森野選手に落合監督は「お前、レギュラー取りたいか?」と聞きます
森野選手が「はい」と答えると、「立浪からレギュラーを取る覚悟があるか?」と問いを重ねます
「打つことではお前はタツに勝てない。ただ守りを一からやるなら可能性はゼロじゃない。その覚悟があるなら俺がノックを打ってやる。どうだ?」
そのやり取りからのこの動画です。森野選手も落合監督も本気です
結局、森野選手はこのあと、意識を失い、救急車で運ばれるまでノックを受け続けました
そんな中、ミスタードラゴンズとまで呼ばれた立浪選手から、レギュラーの座を奪い取るまでの森野選手の葛藤や覚悟が描かれます
また、森野選手側だけでなく、レギュラーを取られる側の立浪選手の気持ちも描かれます
ピンと張り詰める空気や緊迫感、殺伐とした雰囲気が2章全体に漂います
選手が人生を懸けて挑んでいる姿が、読みながら目の前にあらわれてきます
どういう人にお勧めの本なのか
不思議に思いませんか?
三冠王を2回もとり、あれだけのホームランバッターである落合監督の作ったチームが打率3割にもいかず、地味な守りのチームであることを
読み進めれば進めるほどに、そんな落合監督とは何者なのかが浮かび上がってきます
私も読み終わって、1つわかったことがあります
それは、落合監督とは「ブレない」人なんだということ
周りの環境や発言、感情に左右されず、自分の軸をブラさない強さが落合監督にはあります
落合監督に興味がある人も、当時の采配の答え合わせをしたい人が読むのもいいですが、一番はブレない軸を持ちたい人にお勧めしたいです
落合監督の振る舞いや考え方、判断が、きっと参考になります
最終章の荒木選手の章は、読んでいて、自然と涙が出てきます
ブレない落合監督が荒木選手に対して、強い感情(愛情)をもっていることが伝わってくるのです
野球という世界で生きる男たちの、リアルな現状と葛藤や想いを味わいたい方、是非一度お読みください!
↓Kindle版であれば、第1章(川崎選手)の途中まで試し読みもできます
まとめ
今回の記事では、「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」の概要とお勧めする読者を解説しました
最後にポイントをまとめます
ポイント
- 2004年から2011年までの落合博満とドラゴンズの選手/スタッフの姿を追ったノンフィクション
- 著者の鈴木忠平さんはこの本で、史上初のノンフィクション3冠の賞を受賞
- ブレない軸を持ちたい人にお勧めする1冊
これからも、どんな監督が活躍するか、楽しみですね!
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