この記事で解決できる悩みや疑問
- 完全捕球とは何かわからない
- 完全捕球と落球がどのように判定されるか知りたい
- 内野ゴロのファーストの完全捕球がどう判定されるか知りたい
先日、草野球でフライを取ろうと思ったら、ボールがユニフォームに入ってしまった選手がいました
これはアウトでしょうか?それともエラーになるのでしょうか?
完全捕球について理解をしていると、どちらになるかがわかります
そこで、この記事では完全捕球について解説していきます!
この記事の内容
- 完全捕球とは
- 完全捕球はリクエスト制度の対象になる
この記事を読むと、完全捕球と落球がどのように判定されるかがわかるようになります!
では、解説していきます
完全捕球とは
完全捕球とは野手がグローブか手で、確実にボールをつかむことです
確実にボールを掴んだかどうかは、どう判定するのでしょうか?
ポイントとなるのは2つです
1.ボールを何で掴んだか
捕球とみなされるのは「グローブ」か「手」で掴んだ場合です
例えば、捕ろうと思ったフライが、たまたまユニフォームの中に入ってしまっても、それは捕球とは見なされません
あくまで、グローブか手でボールを掴む必要があります
2.確実につかみ、意識してボールを手放したか(送球したか)
完全捕球と見なされるには、確実にボールをつかんだと判断される必要があります
確実にボールをつかんでいれば、次の動作の途中でボールを落としても捕球とみなされます
公認野球規則にもこのように定義されています
野手がボールを受け止めた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は、〝捕球〟と判定される。
公認野球規則2.15(捕球)
要するに、野手がボールを手にした後、ボールを確実につかみ、かつ意識してボールを手放したことが明らかであれば、これを落とした場合でも〝捕球〟と判定される。
確実にボールをつかんだかどうかは、審判が独断で判断します
そのため、過去に怪しい判定がいくつもありました
こちらの映像をご覧ください
微妙ですよね
ボールをキャッチし、投げる前に落としたとも見えますし、確実にボールをつかんでないとも見えます
このシーン、審判はキャッチする際にファンブルをしたと判断したため、完全捕球は認められませんでした
高校野球でも完全捕球か否かで勝敗がついた試合があります
こちらの動画をご覧ください
2014年夏、愛知県大会準決勝東邦対豊田西の試合です
東邦3対1でリード、7回2アウト1,2塁の場面です
バッターの打球はセンターフライですが、キャッチした後に落球します
守備は皆、完全捕球だと思い込み、ベンチに引き上げますが、豊田西の選手は落球の判定に気づいており、全員が生還し、3点追加されました
解説の方も気がついておりません
完全捕球か否かは審判が判断するので、自分で判断してはいけないという良い例です
完全捕球がリクエスト制度の対象となる
完全捕球の疑惑判定は審判の独断によるものが大きく、2020年の監督会議で議題にあがりました
それにより、完全捕球かどうかについて、リプレー検証制度「リクエスト」の対象となることが決まりました
リクエストの対象になるきっかけとなった試合は、2019年のソフトバンク楽天戦です
9回1死1塁、サードゴロで二塁に送球、送球を受けた二塁手が落球しました
審判は完全捕球後、落としたとしてアウトに(しかし、どうみてもただのエラー)
工藤監督が完全捕球かどうかについて、リクエストを要求しましたが、当時のルールではリクエスト自体が認められませんでした
この試合をきっかけに、完全捕球をリクエスト制度の対象にする機運が高まりました
完全捕球が絡むリクエストでよくあるのが、内野ゴロのファースト判定です
ファーストがボールを捕球するのが先か、打者が1塁ベースを踏んだのが先かを判定するのですが、この時に「捕球」をどのタイミングで判断するべきでしょうか
よく、ミットにボールが入った瞬間を「捕球」と勘違いしている方がいますが、この場合にも「完全捕球」=ボールを掴む瞬間を「捕球」として判定しています
つまり、ミットにボールが入って、ミットを閉じた瞬間が捕球となるのです
また、同時だった場合にはセーフになるというルールもあります
正しいルールを覚えておくことで、ミスのないプレイをすることができるようになります
まとめ
今回の記事では、完全捕球について解説しました
ピッチングに役立つこちらの記事もどうぞ
最後にポイントをまとめます
ポイント
- グローブか手でつかんだ場合は捕球と認められる
- 確実にボールをつかんだかどうかは審判の独断で決まる
- プロでも判定が難しく、2020年にリクエストの対象となった
ルールを正しく理解して、野球を楽しみましょう!