この記事で解決できる悩みや疑問
- 2024年のプロ野球外国人枠は何人なの?
- 日本人扱いされる外国人選手の条件を知りたい
プロ野球ではシーズンオフに、毎年助っ人外国人を補強しますよね
助っ人外国人は何人まで補強できるのでしょうか?
この記事ではプロ野球の外国人枠について解説していきます
この記事の内容
- プロ野球外国人枠とは
- 外国人枠拡大の問題点
- 日本人扱いされる外国人選手の条件
では、解説していきます
プロ野球外国人枠とは
プロ野球外国人枠とは、日本のプロ野球において外国人選手が出場できる枠のことを言います
外国人枠は、日本プロフェッショナル野球協約に定めがあります
人数に定めがあるのは、一軍登録の人数で、5人までです(支配下選手登録に人数の制限はありません)
一軍の外国人選手枠は5人ですが、1試合でベンチ入りできる人数は4人となっています
4人全員が投手や4人全員が野手ということもできません
そのため、外国人を4人ベンチ入りさせる場合には、下記の3パターンのどれかになります
外国人ベンチ入りパターン
- 野手3人、投手1人
- 野手2人、投手2人
- 野手1人、投手3人
もちろん、4人全員の枠を使わずに、野手3人や投手2人という使い方もできます
現在、一軍の外国人選手枠は5人ですが、2019年までは外国人枠は4人でした
2020年に新型コロナウイルスによる影響で「感染拡大防止特例」が定められ、4人の外国人枠が5人に増えました
その後、現在まで、5人枠は続けられています
外国人枠拡大の問題点
外国人枠は年々増えていっています
年度 | 一軍登録人数 |
---|---|
1966年〜1993年 | 2人 |
1994年〜1997年 | 3人 |
1998年〜2001年 | 投手2人、野手2人の4人 |
2002年〜2019年 | 投手、野手合わせて4人 |
2020年〜 | 投手、野手合わせて5人 |
助っ人外国人が来てくれることは、チーム力アップに繋がるので、喜ばしいことかと思いますが、実は選手会は外国人枠の拡大に反対をしています
支配下登録選手の人数は70人と固定されているので、外国人選手枠が増えると、日本人選手の契約人数が減ってしまうのです
日本人選手の出場機会が減ってしまうと、日本人選手が育たなくなるおそれもあります
特に外国人選手はファーストなどのポジションが多く、特定ポジションの日本人選手の出場機会が減ってしまうと、アマチュア選手が特定ポジションでプロ野球を目指さなくなります
そうすると、日本の野球界において、特定ポジションを目指す選手が少なくなってしまいます
日本プロ野球選手会は、オフィシャルサイトでもこの問題について声明をだしています
日本人扱いされる外国人選手の条件
日本人扱いされる外国人選手(外国人枠を使わない選手)の条件は日本プロフェッショナル野球協約に定められています
日本人扱いされる外国人選手の条件
- 日本の中学・高校・短期大学・専門学校に通算3年以上在学
- 日本の大学に4年以上在学
- 日本に5年以上居住した上で、社会人野球チームに通算3年以上在籍
- 契約前の在学期間と日本プロ野球の在籍年数の合計が5年以上
- 日本プロ野球でFAの資格を取得
それぞれ、どのような選手がいたのか確認してみましょう
1.日本の中学・高校・短期大学・専門学校に通算3年以上在学
日本人扱いされる外国人では、このケースが一番多くなっています
最も有名な選手は陽岱鋼選手です
陽選手は台湾出身のプロ野球選手で、日本国籍は保有していません
ただ、高校時代に、福岡第一高等学校に3年間通っていたため、プロ野球では日本人扱いとしてカウントされています
2.日本の大学に4年以上在学
高校まで日本にいなくても日本の大学に4年以上在学していれば、日本人扱いで登録できます
ケースとしては少ないですが、過去に有名な選手では中日で活躍した大豊泰昭選手がいます
大豊選手は台湾出身で、20歳までは台湾で過ごしましたが、王貞治選手に憧れ、来日し、名古屋商科大学に入学
その後、中日、阪神で輝かしい成績を残しています
3.日本に5年以上居住した上で、社会人野球チームに通算3年以上在籍
高校や大学に在学していなくても、居住と社会人野球歴があれば、日本人扱いとして登録できます
このケースで入団した選手は過去に1名のみです
1995年ドラフト3位で広島に入団した、ブラジル出身の玉木重雄さんです
4.契約前の在学期間と日本プロ野球の在籍年数の合計が5年以上
このパターンはかなりレアです
過去に1人だけ適用されたのが、2011年に中日に入団した宋相勲選手です
宋選手は、2008年に来日し、福井工大福井高校に在学していましたが、怪我により、治療に専念するため2010年に韓国に帰国
韓国の地元の高校に通いながら治療を続けました
2011年のドラフト会議で中日ドラゴンズから6位指名がありましたが、高校に通算3年以上通っていないため、日本人扱いにはならず、外国人扱いとして入団しました
ただ、2013年には、契約前の在学期間(2年)と日本プロ野球の在籍年数(3年)の合計が5年になったため、このケースが適用され、日本人扱いとなりました
5.日本プロ野球でFAの資格を取得
外国人選手が、FA権を取得後、翌シーズンも日本球界でプレーすると外国人枠の対象外となります
FA権とは
Free Agent権の略で、選手の1軍登録が7~8年を超えると、選手は自ら所属球団を離れ、新たにどの球団とも契約を結ぶことができる権利
※FA権がないと、自分の意志で球団を離れることはできません
FA権と人的・金銭保障についてはこちらの記事で詳しく解説しています
-
【明快】野球の人的補償や金銭補償って何?プロテクト枠やトレードとの違いも解説!
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FA権を取得するためには、一軍で7~8年活躍する必要があり、今までFA権を獲得した外国人選手は全部で12人だけです
選手名 | 出身国 | FA権取得年 |
---|---|---|
郭泰源 | 台湾 | 1996年 |
タフィ・ローズ | アメリカ | 2004年 |
アレックス・ラミレス | ベネズエラ | 2008年 |
アレックス・カブレラ | ベネズエラ | 2009年 |
ブライアン・シコースキー | アメリカ | 2010年 |
許銘傑 | 台湾 | 2011年 |
ホセ・フェルナンデス | ドミニカ | 2011年 |
ジェイソン・スタンリッジ | アメリカ | 2017年 |
ランディ・メッセンジャー | アメリカ | 2018年 |
ウラディミール・バレンティン | オランダ | 2019年 |
ホセ・ロペス | ベネズエラ | 2020年 |
ダヤン・ビシエド | キューバ | 2023年 |
国内FA権を取得できる期間、一軍で活躍した選手ということで、レジェンド選手が並んでいますね
紹介した5つの条件以外にも、そもそも日本に帰化することで、日本人扱いになるというケースもあります
過去、日本に帰化し、日本人となった選手は4人います
選手名 | 帰化年 |
---|---|
三宅宗源 | 1981年 |
郭源治 | 1989年 |
荘勝雄 | 1991年 |
松元ユウイチ | 2004年 |
帰化した場合には、日本プロフェッショナル野球協約で定められている条件に関わらず、日本人扱いとなります
まとめ
今回の記事では、プロ野球選手の外国人枠について解説しました
最後にポイントをまとめます
ポイント
- プロ野球選手の外国人枠の人数に定めがあるのは、一軍登録の人数で、5人まで(支配下選手登録に人数の制限はない)
- 支配下登録選手の人数は70人と固定されているので、外国人選手枠が増えると、日本人選手の契約人数が減ってしまう問題がある
- 日本人扱いされる外国人選手の条件は5ケースあり、それ以外にも日本に帰化することで、外国人枠を使わずに出場できる
野球の仕組みを理解して、もっと野球を楽しみましょう!
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