この記事で解決できる悩みや疑問
- プロ野球16球団構想とは何か知りたい
- どうして、16球団構想の実現が進まないのかを知りたい
- 16球団構想は本当に現実的なのかを知りたい
先日、本田さんのこんなツイートを見かけました
野球。セ・リーグとパ・リーグのシャッフル案が出てるけど、もちろん賛成。でも野球界が本当に変えるべきは、降格&昇格制度を導入すること。
— Keisuke Honda (@kskgroup2017) January 18, 2023
そういえば、16球団構想ってあったなと思いだし、本当に16球団構想は現実的なのかを、私なりに情報を集め検証してみました
すると、追加になる4球団のオーナー企業はこの4企業しかないと結論がでました
この記事では、16球団構想について、私自身で検証した結果をわかりやすく解説します
この記事の内容
- プロ野球16球団構想とは何か
- プロ野球16球団構想の候補地
- プロ野球16球団構想を阻む3つの壁
- どの企業なら新球団を持てるのか検証してみた
- 新球団を持つべき4企業を紹介!
この記事を読むと、16球団構想について理解が深まり、野球界の発展を素人ながら考えることができるようになります
では、解説していきます
プロ野球16球団構想とは
プロ野球16球団構想とは、現在の12球団にさらに4球団を追加して、リーグ運営をする構想です
2020年に福岡ソフトバンクの王貞治会長が「できればあと4つチームが誕生してほしい」と発言
また、元ヤクルトの古田敦也さんも「16球団構想はすでに始まっている」と発言し、話題になりました
新球団設立の目的は以下3つです
- 3位チームでも優勝できてしまうCSの仕組み是正
- チーム数(プロ野球選手数)を増やし、野球人口低下を防ぐ
- 地域密着で新規野球ファンの獲得
王会長や古田さんは野球界全体の発展を考えているんだよね
順番に説明します
1.3位チームでも優勝できてしまうCSの仕組み是正
現在のプロ野球はセ・リーグとパ・リーグの6球団に分かれ、それぞれのリーグの上位3位がCS(クライマックスシリーズ)に出場
CSでリーグ優勝チームをきめ、リーグ優勝チーム同士で日本一を争います
つまり、1年間戦ってきて3位だったチームが日本一になる可能性があるのです
この仕組みのおかしさは以前から指摘されており、1年間の戦歴よりも短期決戦が優先されるCSを是正することが求められています
16球団になれば、4チーム4リーグに分け、それぞれのリーグ優勝チーム同士でトーナメントを行えます
そうすれば、今の不公平感はなくすことができます
2.チーム数(プロ野球選手数)を増やし、野球人口低下を防ぐ
現在、野球人口は減少傾向が続いています
減少の原因の一つとして、就職後に野球をプレーする環境が不足していることがあります
中学高校大学と野球をやったとしても、その後プレーする環境がないことが、野球人口の低下につながっているという考えです
もちろん、そもそも野球以外のスポーツの選択肢が増えたことや指導者不足など、野球人口低下の要因は複数あります
しかし、チーム数を増やすことで、野球人口低下の一要因をつぶせます
3.地域密着で新規野球ファンの獲得
減っているのは競技人口だけではありません。野球ファンの数も低下してきています
昔に比べて娯楽が多様化していることも原因ではありますが、野球が身近でないため、野球の魅力が薄れてきているとも考えることができます
現在、球団のない地域に新しく球団を設立し、地域密着型の運営をすることで、地域の野球ファンを増やそうという狙いです
プロ野球16球団構想の候補地
もし、新たに球団を作るとなると候補地はどこになるのでしょうか?
候補地として話題にあがるのは「新潟」「静岡」「愛媛」「沖縄」「岡山」「栃木」です
「既存の球団が本拠地がないこと」「ナイター設備があり、ある程度の規模を収容できる球場があること」これが候補地になる条件です
ポイントは既存球団の本拠地がないということ
新規球団の参入には既存球団の承認が必ず必要です。そのためには既存球団の利益を損ねる新規球団は認められません
つまり、既存球団がある地域での新規球団は実質発足できないのです
↓既存/新規球団の場所と球場
都道府県 | 人口 | 球団 | 球場 |
---|---|---|---|
東京都 | 1400万人 | 巨人/ヤクルト | 東京ドーム/神宮野球場 |
神奈川県 | 920万人 | DeNA | 横浜スタジアム |
大阪府 | 870万人 | オリックス | 京セラドーム大阪 |
愛知県 | 740万人 | 中日 | バンテリンドーム名古屋 |
埼玉県 | 730万人 | 西武 | ベルーナドーム |
千葉県 | 620万人 | ロッテ | ZOZOマリンスタジアム |
兵庫県 | 540万人 | 阪神/オリックス | 甲子園球場/京セラドーム大阪 |
北海道 | 510万人 | 日本ハム | エスコンフィールドHOKKAIDO |
福岡県 | 510万人 | ソフトバンク | 福岡PayPayドーム |
静岡県 | 350万人 | 候補地 | 草薙球場 |
茨城県 | 280万人 | ||
広島県 | 270万人 | 広島 | MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島 |
京都府 | 250万人 | ||
宮城県 | 220万人 | 楽天 | 楽天生命パーク宮城 |
新潟県 | 210万人 | 候補地 | ハードオフエコスタジアム |
長野県 | 200万人 | ||
岐阜県 | 190万人 | ||
群馬県 | 190万人 | ||
栃木県 | 190万人 | 候補地 | 宇都宮清原球場 |
岡山県 | 180万人 | 候補地 | マスカットスタジアム |
福島県 | 170万人 | ||
三重県 | 170万人 | ||
熊本県 | 170万人 | ||
鹿児島県 | 150万人 | ||
沖縄県 | 140万人 | 候補地 | 沖縄セルラースタジアム |
滋賀県 | 140万人 | ||
山口県 | 130万人 | ||
愛媛県 | 130万人 | 候補地 | 坊っちゃんスタジアム |
人口数はおおよそ
例えば、ここから静岡、新潟、沖縄、愛媛が選ばれた場合は、下記のようなリーグになります
リーグ | 地区 | 球団 |
---|---|---|
セ・リーグ | 東地区 | 巨人、DeNA、ヤクルト、新潟 |
セ・リーグ | 西地区 | 中日、阪神、広島、愛媛 |
パ・リーグ | 東地区 | 楽天、日本ハム、ロッテ、静岡 |
パ・リーグ | 西地区 | 西武、オリックス、ソフトバンク、沖縄 |
それぞれのリーグの地区優勝を決め、優勝チーム同士でリーグ優勝を決め、最後日本一を決める仕組みです
チームが増え、CS問題も解消され、良さそうに感じるけど、実は課題もあるのです
プロ野球16球団構想を阻む3つの壁
プロ野球16球団構想には課題もあります
- 球団経営をできる会社があるのか
- 十分なファンが集まるのか
- 地方都市を遠征するための交通網があるのか
それぞれ、詳しくみていきましょう
1.球団経営をできる会社があるのか
昔、プロ野球球団経営は毎年20億〜50億円くらいの赤字でした
ただ、近年、地域に根ざした球団経営によって着実に経営状態が上向いています。ほぼ全ての球団が単年度で利益をだすまでになっています
ただし、新規参入となると参入するための諸々のお金で200億円程度必要と言われています。このお金を捻出することができる企業があるのかがポイントです
例えばコロナで無観客運営になり、万が一球団経営が赤字になったとしても、プロ野球球団はすぐに手放すことはできません
赤字を抱えながらも運営を続けていける体力のある企業があるのかもポイントになります
2.十分なファンが集まるのか
人口500万人以上の県には全て球団があり、今回の候補地で一番多い静岡でも350万人です
楽天や広島は200万人台の県で球団経営をしているので、できなくはないんでしょうが、少し事情が異なります
楽天は東北地方のチーム、広島は中国地方のチームのため、球場設置県以外からもファンがつきます
一方、静岡県ではどうでしょう。静岡県は西が中日ファン、東が横浜や巨人ファンが多く、静岡県の周りからファンを獲得するのは難しそうです
また、その他の候補地は100万人台の件がほとんどのため、球団設置候補県のファンの母体人数が少ないという問題が残ります
3.地方都市を遠征するための交通網があるのか
4チームの地区リーグ制にすれば、今までより移動距離が減り経費は削減できるという声もあります
一方、そもそも新たな候補地への交通網が限られているという課題があります
例えば、「楽天、日本ハム、ロッテ、静岡」の4チームリーグの場合を考えましょう
新たな候補地静岡への交通網ですが、基本新幹線になります。というのも、飛行機は北海道→静岡だと1日2便しかありませんし、仙台→静岡は直行便がありません。毎回羽田経由になってしまいます
また、沖縄は台風が多いため、予定通り飛行機での移動ができないということも起きるでしょう
どの企業なら新球団を持てるのか検証してみた
ここまで調べてみて、新球団設立の可能性はないわけではないと感じました
例え、ファンの数が少なくても交通網が整っていなくても、多少の赤字をカバーできるオーナー会社があれば、成り立ちます
一番の課題は球団経営をできる体力のある会社があるのかだと思います
そこで、今の日本企業の中で球団経営できる具体的な会社はどこなのかを検証しました
(※外資の会社の球団経営は認められていない)
ネットキャッシュ1000億以上で絞る
新規参入で200億円がかかるのはもちろん、その後も大胆に球団経営を行なっていく資金的体力のある会社をまずは選びました
ネットキャッシュとは現預金と所有証券から有利子負債と前受金を引いたもので、実質的な手元資金のことです
これにより早速85社に絞られました
ちなみに1位はソニーグループで25,965億円のネットキャッシュがあります。ただ、ソニーグループは既に知名度もあるため、球団をもつ可能性は低いでしょう
国内売り上げ比率が高い企業で絞る
日本は輸出国のため、残っている85社にも売り上げが海外メインの企業が多いです
例えば、任天堂。誰もが認める大企業で、ネットキャッシュや売り上げも文句がありません
しかし、日本の球団経営をする可能性はとても低いと思われます
実は、任天堂、過去に球団をもっていたことがありました。イチロー選手も所属していたシアトルマリナーズです
今は既に売却していますが、このように海外売り上げ比率の高い会社は日本の球団をもつメリットはないでしょう
本業とのシナジーがうまれるかで絞る
例えば、楽天や西武のような小売業は、球団経営でサービスの認知が上がり、本業へ良い影響を与えることができます
阪神は阪神電鉄が球団を経営していますが、路線上に球場を設置することで、直接売上に繋がります
このように、球団経営をすることで知名度だけでなく、直接本業とのシナジーがうまれることが大切です
本業とのシナジーがうまれないのであれば、巨額赤字になるリスクをおって、球団を経営するメリットはないと思います
新球団を持てる4企業を紹介!
さあ、ようやくきました
それでは、絞り込んだ結果、新球団を持つべき4つの企業を紹介します
新球団を持つべき4つの企業
- サイバーエージェント
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント
- メルカリ
- ニトリホールディングス
これらの企業はあくまで、私が独断で選定いたしました
それでは選定した理由をみていきましょう
1.サイバーエージェント
メディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業をメインとする会社です
メディア事業であるABEMAを2016年にスタートし、赤字が続いていますが、会社としては毎年黒字をだしている安定企業です
ABEMAは2022年のワールドカップを、全試合無料配信したことも記憶に新しいのではないでしょうか
「今後もスポーツ中継には力をいれていく」と言っており、球団経営とは非常に親和性が高いです
また、企業としてスポーツ支援にも力を入れており、サッカーFC町田ゼルビアや麻雀渋谷ABEMASといったチームも保持しています
是非、手をあげて欲しい会社の1つです
2.ガンホー・オンライン・エンターテイメント
オンラインゲーム事業を運営している会社です。ームをやっている人はパズドラの会社といえば、イメージがつくかもしれません。
当たり外れの多いゲーム業界で、毎年200億〜300億の利益をだしています
プロ野球に対しての支援は過去から行なっており、2016年には侍ジャパンのダイヤモンドパートナーに就任し、侍ジャパンユニフォームの袖にはガンホーのロゴが入りました
2017年にはロッテとユニフォームスポンサー契約を結び、選手、監督、コーチが着用するユニホームの右胸にガンホーのロゴを掲出しました
新球団オーナー募集があれば、手が上がる可能性が非常に高いと考えます
3.メルカリ
今や知らない人はいないのではないかと思いますが、フリマサービスを行なっている会社です
1000億円以上のネットキャッシュを保有しており、売上は毎年過去最高を更新しています。
会社としてプロアスリートの支援は積極的に行なっており、主に障がい者アスリートの支援を重点的に行なっております
2021年にはパシフィックリーグマーケティングと共同でNFT事業に参入をしており、デジタル領域においてテクノロジーを利活用し、ファンに新たな価値を提供するチャレンジを行なっております
既に会社の知名度はありますが、圧倒的な技術力を用いて、新しい球団経営ができる企業です
4.ニトリホールディングス
家具やインテリア商品小売りの企業です
35期連続増収増益を続けており、営業利益が1500億円/年ほどあります。資金面では全く問題ない企業です
ニトリは過去、横浜ベイスターズが球団身売りをした際に、候補企業として報道されたこともあるくらい本命の企業です
今も、日本ハムのスポンサーをしています
きっと、新しい球団ができた際には名乗りをあげるのではないかと思います
まとめ
今回の記事では、本当に16球団構想は現実的なのかを、私なりに情報を集め検証しました
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最後にポイントをまとめます
ポイント
- 「CSの仕組みの是正」「野球人口低下を防ぐ」「新規野球ファンの獲得」を目的として16球団構想が検討されている
- 16球団構想には3つの課題がある
- 1.球団経営をできる会社があるのか
- 2.十分なファンが集まるのか
- 3.地方都市を遠征するための交通網があるのか
- 1の課題が最も大きいが「サイバーエージェント」「ガンホー・オンライン・エンターテイメント」「メルカリ」「ニトリホールディングス」の4企業ならば球団経営を十分にやっていける
プロ野球球団が4つ増えるなんて、とても楽しそうですよね。期待しましょう!
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