こんにちは、草野球歴20年以上のほくとです
野球をする中で、様々なケガをしてきました(捻挫、肉離れ、靭帯損傷など)
しかし、先日、野球人生で最も大きい怪我をしてしまったのです
それは、利き腕の骨折(投球骨折)です
そこで、この記事では投球骨折とは何か、治療法やかかるお金、便利だったグッズなどを紹介します!
この記事の内容
- 投球骨折とは
- 投球骨折の治療法
- 完治までの経過
- 投球骨折にかかったお金
- 投球骨折の予防方法
この記事を読むと、投球骨折になってしまった時の経過や予防法についてわかります!
では、解説していきます
ちなみに、最近よく聞く、野球の熱中症対策全般はこちらの記事で紹介しています。参考にしてください
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投球骨折とは
投球骨折とは、投球動作の際に、上腕に捻りの負荷がかかり、上腕骨が螺旋状に骨折することです
上腕骨とは肩と肘の間にある骨のことです
ここの骨が折れるなんて、想像できないですよね
投球骨折は上腕部骨幹部(上腕骨の真ん中)骨折とも言われており、上腕骨が見事に真ん中で真っ二つに割れる症状です
これが私の折れたレントゲンです
パッきりいってますね
原因
野球の投球動作では、上腕に捻る力(捻転)がかかります
その捻る力に骨が耐えきれず、骨折してしまうのです
同じく、上腕部骨幹部骨折は腕相撲を行うときに発生するようで、まさに腕を捻る力ですね
ただ、プロ野球選手で投球骨折になったというニュースは聞いたことがありません
日ごろ、投球する機会が少ない中で、力一杯投げる草野球の投手に起こる怪我なのです
まさに、私も普段はファーストや外野を守ることが多いのですが、この日は緊急登板をしていました
疲労骨折とは異なり、一回の捻る力で折れてしまうようです
症状
私はマウンドからボールを投げた瞬間、腕が飛んでいったような感覚でした
見ると、自分の腕がダラーと下に下がっていて、チームメイトが駆け寄ってきていました
後から聞いた話、ボールを投げた瞬間「ボキッ!」というすごい音がしたそうです
腕が痛いのはもちろんですが、妙な冷や汗がでてきたのを覚えています
チームメイトの医者がタオルで腕を吊ってくれて、河川敷に救急車を呼び、そのまま救急車で病院に運ばれました
投球骨折の治療法
救急車で到着した病院で、状況を伝えると、野球の投球で骨折なんて聞いたことがないから、脱臼ではないかということでした
しかし、レントゲンを取ると、パッきりいっていることが判明
治療が始まります
投球骨折の治療は、「整復」からスタートです
「整復」とは、骨折や脱臼でずれてしまった骨を元の位置に戻すことです
救急で運ばれた病院で、腕に麻酔をし、先生が手で「整復」を行なってくれました
つまり、手で骨を動かし元の位置に戻し、添え木のようなもので固定をする応急処置です
麻酔をしているので、そこまで痛くはないのですが、腕がグラグラしているのが気持ち悪いです
整復が終わると、大きな病院の紹介状を書いてもらい、その日は帰宅です
帰り、車中では車が揺れる度に骨の折れた部分がズレます
この時は、それくらい安定していない状態です
翌日、添木をした状態で、大きい病院で診断していただいたところ、2つの治療法を提案されました
治療法
- 保存療法:腕を石膏ギプスなどで固定し、骨同士が自然にくっつくのを待つ治療法
- 手術療法:手術で骨折している部分を、プレートや髄内釘(チタンの棒のようなもの)で固定する治療法
簡単な骨折なら、基本、保存療法で治すようです
ただし、グラつきが大きい骨折や、体重がかかる足の骨折の場合は手術療法を選択するようです
また、手術療法だと保存療法より、早期に社会復帰することができるのもメリットと説明されました
今回、上腕骨骨幹部ということで、グラつきが大きいこと、何ヶ月も仕事ができないのは困ることから、手術療法でお願いしました
骨折の手術療法には大きく分けて2種類の方法があります
左が骨の中の空洞部分に髄内釘というインプラントを入れて固定する方法
右が骨の外側をプレートとネジ(スクリュー)で固定する方法です
骨折箇所により、どちらで行うかは変わります
今回の上腕骨骨幹部骨折は「髄内釘を入れる」やり方で行うことになりました
完治までの経過
手術療法にすると決めてから、手術の日までは5日間でした
手術前
手術の前日に入院しても良かったのですが、左腕が全く使えない状況で家族にも迷惑をかけるので、すぐに入院することにしました
腕は痛いのですが、体は元気なので、基本、暇な毎日です
このような状態です
ベットの上で、映画をみたり、本を読んだりして過ごしていました
この時期に大変だったのが、着替えです
左腕は曲げた状態から動かせないので、腕に通す服を着ることは難しいです
そのため、下着の上に甚平を羽織るという状態で過ごしました
下着で役立ったのは↓こちらです
この下着、Tシャツの袖口から裾までが開くようになっているため、腕を動かさずに着ることができるんです
本当、なんでも考えて作ってくれている人がいるんですね
もう一つ重宝したのが、甚平です
甚平の袖に片腕は通さず、上から羽織り、前を紐で結ぶ形で過ごしました
この2つで4日間快適に過ごすことができました
友達や家族が腕を骨折した場合には、必ず役立つので、是非プレゼントしてあげてください
手術
私は人生で初めての手術でした
手術の前にはシャワーを浴びます(野球中に救急車で運ばれてから約5日間お風呂に入っていませんでした)
ただ、左腕が全く使い物にならない(下に垂らすことも怖くてできない)ため、左腕を荷物のように台に乗せながら、右手で洗いました
それでも、とっても気持ちよかったです
手術台に行き、看護師さんに「140km/hくらいでるんですか?」なんて言われながら、麻酔が開始されます(110km/hですとは恥ずかしくて、見栄を張り120km/hと言いました)
麻酔が始まると5秒くらいで意識が飛び、気がついたら病室にいました
あとから聞いたところ、5時間40分の手術だったそうです
術後は酸素マスクをして、ベットに指定の時間居続けなければいけなく、これが結構辛かったです
喉が渇いて、水を飲みたいし、ずっと同じ姿勢で寝ているので寝返りができず、ナースコールをして身体を動かしてもらいました
酸素ボンベを外し、身体を起き上がらせると、一気に楽になりました
術後1週間
手術のおかげで、腕の中の骨のぐらつきは一切なくなり、安定するようになりました
レントゲンはこのような状態です
しっかり、骨の中にチタンの棒が入っていますね
驚いたのは、手術翌日からリハビリがスタートしたことです
先生曰く「昔はなるべく固定しておいた方がいいと言われていたんだけど、最近はなるべく早く動かした方がいいと言われている」とのこと
確かに、肘を90度にずっとしていたせいで、肘が全く真っ直ぐに伸びません
それに、肘が腫れています
肩を回すこともしていないので、肩周りも固くなってしまうことがあるそうで、肘や肩周りを軽く動かすリハビリをしました
この時期に最も役立ったのは、この「靴」です
介護シューズの「あゆみ」というものらしいのですが、私は病院の中のコンビニで売っていて買いました
この時期に、最も怖かったのは「転ぶこと」です
まだ、全く骨がくっついていない状態のため、万が一転ぶと再度手術になってしまいます
慎重に歩いてはいるのですが、一度、つまづいてしまったことがあり、それが恐怖でこの「転びにくく履きやすい」靴を購入しました
履いてみると、びっくりするくらい軽くて、滑らないようになっており、歩きやすいのです
この靴のおかげで、毎日病院内のこのような場所を散歩することができていました
経過は順調で、術後4日(入院してから1週間)で退院することができました
術後1ヶ月目
退院でき、家で過ごせる日々は本当に幸せを感じました
ただ、家族にサポートしながらの生活になります
家事は一切できないですし、お風呂やトイレも一苦労です
肝心の腕は、皮下出血もせいでパンパンに腫れ、ズキズキと鈍痛がある状態です
困ったのは睡眠です
左腕を下にして寝ることはできないですし、右を向くのも左腕が寝ている途中に落ちそうで怖いのです
仰向きも左腕が痛いため、寝る体勢はかなり困りました
病院で教えてもらった、左腕の下にタオルなどで高さをつけて寝る体勢が、唯一楽になれる体勢でした
寝返りができないため、夜も何度も起きてしまい、慢性的な睡眠不足が続くことになります
また、もう一つ困ったのが、手術をした傷口から体液の滲み出しが止まらないことです
傷口は医療用ホッチキスのようなもので止まっており、そこから血が混じった体液が滲み出ていました
数時間おきにガーゼと防水フィルムのようなものを取り替える作業をしていました
役立ったアイテムの1つはこの防水フィルムです
結局、Amazonで3回くらい同じものを注文しました
このフィルム、不思議で、シャワーを浴びても全く傷口に水が入らないのです
寝ている時の腕の下に敷くものは、専用のものも調べたら売っていたのですが、タオルで充分でした
また、うちに元々あった抱き枕はかなり重宝したので、抱き枕は1つあってもいいかもしれません
そして、何よりこの時期に最も役立ったのは、アームスリングです
色々発売されていますが、おすすめはこれです
安いですが、機能性は抜群で、使い勝手も良く、これがあったおかげで術後1ヶ月を乗り切れたと思っています
また、退院してから数日後から仕事も復帰しました
私は自宅でのPC作業がメインの仕事のため、復帰ができたと思います
身体を使う仕事なら、復帰は難しいですし、毎日出勤する仕事でも難しいと思います
というのも、体力が衰えているのと、手術の影響もあり貧血気味になっており、出勤する体力はなかったからです
貧血対策としては、こちらを食べていました
また、この時期は1週間に1回、診察とリハビリで病院に通っていました
術後2ヶ月目
2ヶ月目になり、傷口からの体液の滲み出しは止まり、医療用ホッチキスの抜糸も行いました
レントゲンはこのような状態です
素人にはわからないのですが、先生曰く、「骨がくっつき始めているね」ということでした
そのため、診察は2週間に1回に減り、一方、リハビリは毎週行うようになりました
また、一部の家事(アイロン/料理/ゴミ捨て)はできるようになり、家族への後ろめたさも少し減少しました
入院から断っていたお酒も解禁し、外でも1~2杯ならば飲めるようになりました
リハビリでは「肘を伸ばすこと」や「手を真横に広げること」を目的にして、メニューを教えてもらいました
傷口が赤く腫れて、痛むので、そこに医療用のテープを貼ることを勧められました
このマイクロポアというものです
これも優れもので、傷口に貼っておくだけで、傷口が目立たなくなるそうです
徐々に日常生活を取り戻していきました
術後3ヶ月目
3ヶ月目に突入すると、夜、寝ることも大変ではなくなり、徐々に体力も戻ってきました
ただ、筋力の衰えは激しく、体重は4~5kg減ってしまっていました
リハビリメニューも可動域を広げるものから、インナーマッスルを鍛えるものに変わっていきました
そのため、この時期に購入したものは、プロテインとゴムバンドです
このゴムバンドは色によって強度が異なっており、私はリハビリの先生が勧めてくれた黄色を購入しました
黄色は強度がかなり弱いほうです
それほど、筋力が落ちてしまっていました
買い物袋を持つくらいはできるようになっていたのですが、ちょっと重い扉だと、左手だけでは開けることができませんでした
全身の筋トレとストレッチ、そして、インナーマッスルを鍛えるゴムバンドチューブに、プロテインを飲むことで、3~4kg戻すことに成功しました
術後4ヶ月目
4ヶ月目になり、左腕の筋肉がない以外は通常通りの生活ができるようになりました
レントゲンはこのような状態です
ほぼ、骨がくっついている状態です
リハビリは、ストレッチから筋トレが中心のメニューになっていきました
ただ、まだ、可動域が元通りというわけにはいかず、バットを振ったり、ボールを投げたりはできない状態です
術後5ヶ月目
5ヶ月目になり、筋肉が少し戻ってきて、多少重いものも持てるようになってきました
骨折前に行っていたジムも復活し、トレーニングをするように
ただ、左腕のウェイトはびっくりするくらい軽いものしか上がらず、まだ筋肉が戻っていないことを痛感します
野球仲間と温泉旅行に行き、サウナにも入りました
お酒もガンガン飲み、完全に日常を取り戻した感じです
また、野球チームの紅白戦に参加し、キャッチボールをすることができました(本当に楽しかった)
バッティングはフォロースルーの時にまだ違和感がある状態です
ストレッチではより広い可動域を得るためのメニューが増えたため、トリガーポイントを購入して使っていました
術後6ヶ月目
6ヶ月目、医者に骨がくっついて完治と言われました
ようやくです!!でも、順調に回復して本当に良かった
手術をしてくれた医者と一緒にリハビリをしてくれた、理学療法士の先生に本当に感謝です
手術をした病院でのリハビリはこれで終わりで、この後、数ヶ月間はスポーツ専門の整骨院に通い、可動域と筋力UPのリハビリを続ける予定です
投球骨折にかかったお金
こちらが、投球骨折の治療にかかったお金です
投球骨折治療にかかったお金
- 緊急手当費(骨折当日の救急手当):2.4万
- 入院費(6日間):17万
- 通院費(15日間):約3万円
合計:22.4万円
ただ、もらえるお金もいくらかありました
投球骨折でもらえたお金
- 大会保険(大会中の骨折だったため):5万
- 会社見舞い費:1万
- 高額療養費制度:3.3万円
- スポーツ保険:8.6万円
合計:17.9万円
結果、自己負担は4.3万円ということになりました
大会中の怪我だったため、大会保険が大きかったですが、今回の件で、感じたのは、スポーツ保険に入っておいて本当に良かったということです
スポーツ保険から8.6万円でたことが金銭的には非常にありがたかったです
年間1,850円なので、スポーツをやっている人は絶対に入った方がいいですよ!
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投球骨折の予防方法
投球骨折にならないようにするための予防方法は2つあります
予防方法
- 正しい投球フォームを習得すること(上腕骨に無理な捻転がかからないフォーム)
- 投球前に十分な準備運動を行うこと
この怪我は、体全身をうまく使えているプロ野球選手に起こることはありません
我流で行っている草野球選手特有の怪我です
正しい投球フォームを教えてもらうことは、なかなかないと思いますが、私のようにならないためにも、きちんとした投球フォームを身につけることをお勧めします
まとめ
今回の記事では、投球骨折とは何か、治療法やかかるお金、便利だったグッズなどを紹介しました
最後にポイントをまとめます
ポイント
- 投球骨折とは、投球動作の際に、上腕に捻りの負荷がかかり、上腕骨が螺旋状に骨折すること
- 日ごろ、投球する機会が少ない中で、力一杯投げる草野球の投手に起こりやすい怪我
- 万が一のために、スポーツ保険には入っておいて損はない
正しい投球フォームと準備運動は大切にして、野球を楽しみましょう!!
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