この記事で解決できる悩みや疑問
- 打席と打数の違いを知りたい
- NPB生涯通算打率ランキングにイチロー選手がいない謎を知りたい
先日、ふとNPB生涯通算打率ランキングを見ていたのですが、なぜかイチロー選手がいないのです
打率2割台の選手まで見たのですが、やはりイチロー選手はいませんでした
そこで、この記事では、打席と打数の違いから、NPB生涯通算打率ランキングにイチローがいない謎を解説していきます!
この記事の内容
- 打席と打数の違い
- 規定打席の計算方法と2023シーズン規定打席到達選手一覧
- NPB生涯通算打率ランキング
この記事を読むと、打席と打数に関する情報に詳しくなります!
打席と打数の違い
打席とは「バッターバックスに立った回数」、打数とは「打撃を完了した回数」です
打席はplateappearanceといい、記録上は「PA」と表記されます
打数はat batといい、記録上は「AB」と表記されます
打席に含まれて、打数に含まれないのは「四死球、犠打、犠飛、打撃妨害、走塁妨害」です
つまり、打席数から「四死球、犠打、犠飛、打撃妨害、走塁妨害」の数を引いたものが打数となります
打数はいくつかの記録を計算する際に使われます
打数を計算に用いる代表的な記録
- 打率=安打÷打数
- 長打率=塁打÷打数
- 出塁率=(安打+四死球)÷(打数+四死球+犠飛)
規定打席の計算方法と2023シーズン規定打席到達選手一覧
一方、打席数は「規定打席」という基準で使われます
打率や長打率をランキング形式をするときに、「規定打席以上」の選手を対象とするのです
打席数が少ない人をランキングに入れてしまうと、本当に良い成績なのかがわからないからです
規定打席の計算方法はこのように決められています
規定打席の計算方法:所属チームが行った試合×3.1
例えば、2023年はシーズン試合数が143試合なので、143試合×3.1=443打席が規定打席となります
2023年シーズンは、規定打席に到達したのは、両リーグ合わせて49人しかいません
規定打席に到達するのが、いかに難しいかがわかります
2023年シーズン規定打席到達選手(セ・リーグ)
ランキング | 名前 | 打率 | 打席 |
---|---|---|---|
1 | 宮崎敏郎 | .326 | 461 |
2 | 西川龍馬 | .305 | 443 |
3 | サンタナ | .300 | 516 |
4 | 牧秀悟 | .293 | 605 |
5 | 大島洋平 | .289 | 494 |
6 | 大山悠輔 | .288 | 625 |
7 | 坂本勇人 | .288 | 455 |
8 | 近本光司 | .285 | 585 |
9 | 中野拓夢 | .285 | 660 |
10 | 大城卓三 | .281 | 490 |
11 | 岡林勇希 | .279 | 633 |
12 | 岡本和真 | .278 | 589 |
13 | 秋山翔吾 | .274 | 483 |
14 | 木浪聖也 | .267 | 470 |
15 | 坂倉将吾 | .266 | 448 |
16 | 佐野恵太 | .264 | 613 |
17 | 佐藤輝明 | .263 | 548 |
18 | 関根大気 | .261 | 532 |
19 | 菊池涼介 | .258 | 485 |
20 | 村上宗隆 | .256 | 597 |
21 | 吉川尚輝 | .256 | 478 |
22 | オスナ | .253 | 543 |
23 | 細川成也 | .253 | 576 |
24 | 桑原将志 | .252 | 479 |
25 | 石川昂弥 | .242 | 464 |
26 | ノイジー | .240 | 516 |
27 | 長岡秀樹 | .227 | 488 |
例えば、坂倉選手は448打席なので、規定打席ギリギリだったことがわかります
あと6打席少なかったら、打率ランキングには記録上残らないことになるのです
次はパ・リーグです
2023年シーズン規定打席到達選手(パ・リーグ)
ランキング | 名前 | 打率 | 打席 |
---|---|---|---|
1 | 頓宮裕真 | .307 | 451 |
2 | 近藤健介 | .303 | 603 |
3 | 柳田悠岐 | .298 | 615 |
4 | 森友哉 | .289 | 445 |
5 | 松本剛 | .276 | 561 |
6 | 紅林弘太郎 | .275 | 474 |
7 | 中村晃 | .275 | 575 |
8 | 浅村栄斗 | .274 | 592 |
9 | 中川圭太 | .270 | 556 |
10 | 万波中正 | .265 | 582 |
11 | 外崎修汰 | .260 | 571 |
12 | 小深田大翔 | .260 | 540 |
13 | 辰己涼介 | .260 | 487 |
14 | マキノン | .259 | 514 |
15 | 今宮健太 | .254 | 474 |
16 | マルティネス | .246 | 444 |
17 | ポランコ | .246 | 488 |
18 | 宗佑磨 | .240 | 470 |
19 | 山口航輝 | .237 | 466 |
20 | 野村佑希 | .236 | 473 |
21 | 安田尚憲 | .235 | 468 |
22 | 中村奨吾 | .219 | 577 |
このように、(規定)打席数以上の選手をランキングの対象とし、打数を使って算出した打率のランキングをだしているのです
NPB生涯通算打率ランキング
では、問題のNPB生涯通算打率ランキングを見ていきましょう(上位20人)
順位 | 名前 | 打率 | 打数 |
---|---|---|---|
1 | リー | .320 | 4934 |
2 | 若松勉 | .31918 | 6808 |
3 | 張本勲 | .31915 | 9666 |
4 | ブーマー | .317 | 4451 |
5 | 青木宣親 | .315 | 6126 |
6 | 川上哲治 | .3134 | 7500 |
7 | 柳田悠岐 | .3128 | 4920 |
8 | 与那嶺要 | .3110 | 4298 |
9 | 落合博満 | .3108 | 7627 |
10 | 小笠原道大 | .310 | 6828 |
11 | レオン | .308 | 4667 |
12 | 中西太 | .307 | 4116 |
13 | 長嶋茂雄 | .305 | 8094 |
14 | 篠塚和典 | .3043 | 5572 |
15 | 松井秀喜 | .3040 | 4572 |
16 | 鈴木尚 | .3034 | 4798 |
17 | カブレラ | .3033 | 4510 |
18 | 大下弘 | .3030 | 5500 |
19 | 和田一浩 | .3029 | 6766 |
20 | 谷沢健一 | .3024 | 6818 |
やはり、イチロー選手がどこにもいません
イチロー選手のNPBの打撃成績は、4098打席/3619打数/1278安打、打率はなんと.353です
ダントツの1位になるはずです
シーズンの打率ランキングは、(規定)打席数以上の選手をランキングの対象とし、打数を使って算出した打率をランキングにしていました
生涯通算打率ランキングは、(規定)打数以上の選手をランキングの対象とし、打数を使って算出した打率をランキングしているのです
違いに気がつきましたでしょうか?
そう、生涯通算打率ランキングは、なぜか規定打席ではなく規定打数をランキングの対象として使っているのです
規定にされている打数は4000打数のため、3619打数のイチロー選手はランキングから除外されてしまっています
もし、生涯通算打率ランキングの規定を、4000打数ではなく、4000打席にすると、ランキングはこうなります
順位 | 名前 | 打率 | 打席 |
---|---|---|---|
1 | イチロー | .353 | 4098 |
2 | R.ローズ | .325 | 4525 |
3 | リー | .320 | 5485 |
4 | 若松勉 | .31918 | 7590 |
5 | 張本勲 | .31915 | 11122 |
6 | ブーマー | .317 | 4915 |
7 | 青木宣親 | .315 | 6126 |
8 | 川上哲治 | .3134 | 4298 |
9 | 柳田悠岐 | .3128 | 4920 |
10 | 与那嶺要 | .3100 | 4955 |
イチロー選手が1位にはいり、なんと2位には横浜で活躍したローズ選手がランクインしました
このランキングの方が納得感がありますね
まとめ
今回の記事では、打席と打数の違いから、NPB生涯通算打率ランキングにイチローがいない謎について解説しました
最後にポイントをまとめます
ポイント
- 打席とは「バッターバックスに立った回数」、打数とは「打撃を完了した回数」
- 規定打席の計算方法:所属チームが行った試合×3.1
- 生涯通算打率ランキングは、規定打席ではなく規定打数をランキングの対象として使っている
現役で通算打率にランクインしている、青木選手や柳田選手がどこまで記録を伸ばすのかにも注目して、野球を楽しみましょう!
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