この記事で解決できる悩みや疑問
- 野球のUZRが何かわからない
- UZRの評価基準を知りたい
- 2023年UZR上位選手を知りたい
野球の用語でUZRという言葉があります
私は正直、UZRとは何か知らなかったので、今回、UZRについて徹底的に調べました
そこで、この記事では野球のUZRをわかりやすく簡潔に解説していきます!
この記事の内容
- UZRとは何か
- UZRの特徴と問題点
- UZRの計算方法
- UZRの評価基準
- 2023年プロ野球UZR1000上位ランキング
この記事を読むと、UZRの理解が深まり、今以上にプロ野球を楽しんで観ることができます!
UZRとは何か
野球をデータから分析し、選手個人の能力を数値化する手法をセイバーメトリクスと言います
投手のセイバーメトリクス指標だけでも、このようにたくさんの指標があります
投手の指標一覧
- DIPS
- FIP
- SIERA
- RSAA
- tERA
- RSWIN
- PR
- WHIP
- LOB%
- K/BB
- K/9
- BB/9
- H/9
- GR/9
- GB/FB
- GO/AO
- 被BABIP
- QS
- HQS
- AGSc
相当な野球マニアじゃない限り、全ての指標を理解している人はいません
知っているのはQSくらいじゃないでしょうか?
QSについては、こちらの記事で詳しく解説しています
-
【2025年最新】歴代QS率を紹介。野球のQSの目安などわかりやすく解説。
続きを見る
UZRは守備に関する指標です
UZRは“Ultimate Zone Rating”の略称で、「ユーゼットアール」と読みます
同一シーズンの同じポジションの選手と比較して、どれだけ失点を防いだかを表す指標です
そんなことまで、数値にできちゃうんですね
守備に関する指標には「守備率」があります
守備率=「(守備機会-エラー数)÷守備機会」で出すことができます
しかし、守備率だと難しい打球を負わなければ、守備率を高くすることができてしまいます
守備率を補う指標として、守備範囲や併殺処理などが考慮されたUZRが使われています
UZRの特徴と問題点
UZRには3つの特徴があります
UZRの特徴
- 同じシーズンの同じポジションの選手との比較(相対評価)
- UZRは累積値
- 投手、捕手は対象外
それぞれ、詳しく見ていきましょう
同じシーズンの同じポジションの選手との比較(相対評価)
UZRは同じシーズンの同じポジションの選手の数値平均が0になるよう調整されます
つまり、そのポジションの平均的な守備者は数値が0になり
優秀な守備者は+10や+20のような数値になります
UZRは累積値
UZRは1回1回の守備機会を数値にし、足したり引いたりをする累積値で表します
そのため、守備機会の多い選手の方が値が大きくなります
選手間の比較においては、1000イニングあたりのUZR値である「UZR1000」を使用するのが一般的です
投手、捕手は対象外
投手と捕手は、守備機会がそもそも少なく、累積値であるUZRには向かないため、対象外となっています
また、UZRの構成要素である「守備範囲」も投手と捕手は小さく、あまり差がでないことも理由の1つです
株式会社DELTAのように、独自の評価で投手と捕手のUZRも計算して、算出していることもあります
UZRの問題点
どの指標もそうですが、UZRも万能ではありません
下記が、UZRが当てにならない理由として挙げられます
UZRが当てにならない理由
- UZRには表れない「守備の上手さ」がある
- シーズンごとに数字のブレが大きい(相対評価のため)
- 結局入力に人間の主観が入っている
確かに、UZRが当てにならない理由は全て理解できます
一方で、UZRがあることで、今まで数値で測ることができなかった「守備」を見える化できているという点で、有効な指標とも言えます
UZRの計算方法
UZRは3つの要素で構成されています
UZRの構成要素
- 守備範囲(RngR)
- 失策抑止(ErrR)
- 併殺貢献(DPR)_内野手/送球による進塁抑止貢献(ARM)_外野手
これら3つの要素の掛け合わせでURZをだします
3つの要素の算出方法はこちらです
3つの要素の算出方法
- グラウンドを複数のゾーンに分解
- 各ゾーンごとに打球の種類(バント・ゴロ・ライナー・フライ)や速度(遅い・中間・速い)を記録
- ゾーンと打球の種類や速度の掛け合わせで、リーグ全体でどれだけのアウトが記録されたか算出
- このデータを基に、個別の野手のプレーを評価してプラスマイナスを積み重ねる
非常に難しいですよね
もし、より詳しく知りたい方は、株式会社DELTAの解説ページをご覧ください
UZRの評価基準
UZRの評価基準は以下が目安と考えられています
UZR | 評価 |
---|---|
+15以上 | ゴールデングラブ級 |
+10以上 | 非常に優秀 |
+5以上 | 優秀 |
0 | 平均 |
-5以下 | 悪い |
-10以下 | 非常に悪い |
ゴールデングラブ級の選手は、どれくらいいるのでしょうか
2023年のUZRを確認すると、なんと0人でした
最高が近藤健介(ソフトバンク):UZR14.3です
ゴールデングラブ級の結果を出すのはいかに難しいかがわかりますね
2023年プロ野球UZR1000上位ランキング
2023年のランキングを見てみましょう
ファースト
ランキング | 選手名 | UZR1000 | UZR |
---|---|---|---|
1 | 大山悠輔 | 8.8 | 11.3 |
2 | マキノン | 9.5 | 6.5 |
3 | ソト | 5.0 | 4.2 |
4 | 頓宮裕真 | 3.3 | 2.8 |
5 | 山口航輝 | 1.7 | 0.9 |
6 | ビシエド | 0.8 | 0.6 |
7 | オスナ | 0.3 | 0.3 |
8 | 鈴木大地 | -6.0 | -3.1 |
9 | 中田翔 | -11.1 | -6.0 |
10 | 中村晃 | -5.7 | -6.0 |
UZRが高くても、UZR1000にすると、ランキングが変わることがわかりますね
セカンド
ランキング | 選手名 | UZR1000 | UZR |
---|---|---|---|
1 | 吉川尚輝 | 11.8 | 12.0 |
2 | 牧秀悟 | 4.9 | 6.2 |
3 | 外崎修汰 | 4.4 | 5.2 |
4 | 山田哲人 | 4.5 | 3.6 |
5 | 中野拓夢 | 1.9 | 2.5 |
6 | 菊池涼介 | 1.0 | 1.0 |
7 | 三森大貴 | -0.9 | -0.6 |
8 | 小堀田大翔 | -2.3 | -1.4 |
9 | 浅村栄斗 | -7.8 | -4.9 |
10 | 福永裕基 | -11.2 | -6.0 |
11 | 中村将吾 | -6.4 | -7.5 |
ちなみに、セカンドのゴールデングラブ賞は中野選手でした
記者投票によるゴールデングラブ賞と数値をもとにしたURZ1000だと、結果が異なるのも面白いですね
サード
ランキング | 選手名 | UZR1000 | UZR |
---|---|---|---|
1 | 栗原陵矢 | 12.6 | 9.6 |
2 | 佐藤龍世 | 9.6 | 5.0 |
3 | 安田尚憲 | 0.6 | 0.6 |
4 | 宮崎敏郎 | -0.6 | -0.6 |
5 | デビットそん | -3.5 | -2.4 |
6 | 佐藤輝明 | -2.2 | -2.6 |
7 | 宗佑磨 | -3.2 | -3.2 |
8 | 清宮幸太郎 | -5.2 | -3.9 |
9 | 岡本和真 | -7.6 | -5.3 |
10 | 石川昴弥 | -8.2 | -6.2 |
11 | 村上宗隆 | -6.8 | -8.2 |
サードは栗原陵矢選手がダントツですね
ショート
ランキング | 選手名 | UZR1000 | UZR |
---|---|---|---|
1 | 龍空 | 14.6 | 10.0 |
2 | 長岡秀樹 | 8.6 | 9.7 |
3 | 源田壮亮 | 10.0 | 8.6 |
4 | 村林一樹 | 12.3 | 7.7 |
5 | 藤岡裕大 | 3.9 | 2.9 |
6 | 木浪聖也 | 0.5 | 0.6 |
7 | 山﨑剛 | -1.3 | -0.8 |
8 | 紅林弘太郎 | -3.4 | -3.7 |
9 | 京田陽太 | -7.8 | -4.3 |
10 | 坂本勇人 | -6.6 | -4.7 |
11 | 川上畑大悟 | -8.5 | -5.5 |
12 | 今宮健太 | -10.7 | -11.3 |
ライト
ランキング | 選手名 | UZR1000 | UZR |
---|---|---|---|
1 | 万波中正 | 13.7 | 13.6 |
2 | 茶野篤政 | 13.3 | 8.5 |
3 | 丸佳浩 | 8.2 | 4.4 |
4 | 森下翔太 | 5.0 | 3.4 |
5 | 野間峻祥 | 4.1 | 2.9 |
6 | 小郷裕哉 | -3.1 | -2.7 |
7 | 柳田悠岐 | -8.4 | -5.4 |
8 | サンタナ | -8.3 | -8.1 |
9 | 細川成也 | -11.3 | -10.7 |
岡林選手の27.1が両リーグ合わせての1位の数字でした
センター
ランキング | 選手名 | UZR1000 | UZR |
---|---|---|---|
1 | 近本光司 | 8.5 | 9.5 |
2 | 秋山翔吾 | 5.4 | 5.2 |
3 | ブリンソン | 1.4 | 0.9 |
4 | 桑原将志 | -0.4 | -0.4 |
5 | 岡林勇希 | -2.8 | -3.1 |
6 | 辰巳涼介 | -5.7 | -6.1 |
7 | 中川圭太 | -7.1 | -6.7 |
8 | 藤原恭大 | -17.4 | -17.4 |
レフト
ランキング | 選手名 | UZR1000 | UZR |
---|---|---|---|
1 | 近藤健介 | 17.1 | 14.3 |
2 | 松本剛 | 14.4 | 12.3 |
3 | 大島洋平 | 4.8 | 3.6 |
4 | 西川龍馬 | 3.1 | 2.9 |
5 | 秋広優人 | -3.0 | -1.8 |
6 | ノイジー | -7.9 | -7.8 |
7 | 杉本裕太郎 | -14.6 | -9.0 |
8 | 佐野恵太 | -13.9 | -11.8 |
まとめ
今回の記事では、野球のUZRについてわかりやすく解説しました
守備を上達させたければ、スパイクが重要です
草野球用のおすすめスパイクはこちらで紹介しています
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【草野球歴20年】草野球スパイクお勧め3選!草野球スパイクはとにかく軽いものを選ぶべき
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最後にポイントをまとめます
ポイント
- UZRは同一シーズンの同じポジションの選手と比較して、どれだけ失点を防いだかを表す指標
- UZRは、守備範囲(RngR)と失策抑止(ErrR)と併殺貢献(DPR)_内野手/送球による進塁抑止貢献(ARM)_外野手の3つの要素が合わさった指標
- UZRは積み上げの指標のため、選手観の比較においては、1000イニングあたりのUZR値である「UZR1000」を使用するのが一般的
これからは、UZRにも注目してプロ野球を楽しみましょう!
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