この記事で解決できる悩みや疑問
- 野球のwarが何かわからない
- warの評価基準を知りたい
- war上位選手を知りたい
- 大谷選手のwarを知りたい
2022年大谷選手のMVP議論のとき、warという言葉がよくでてきました
今回、改めてWARについて調べ、完全に理解することができました
そこで、この記事では野球のWARをわかりやすく簡潔に解説していきます!
この記事の内容
- WARとは何か
- WARの評価基準
- WARの問題点
- 2024年プロ野球WAR上位ランキング
- 大谷選手の歴代WAR
この記事を読むと、WARの理解が深まり、今以上にプロ野球を楽しんで観ることができます!
WARとは何か
野球で、誰がどれだけ勝利に貢献したのかを評価することは難しいです
攻撃や走塁、守備や投球と勝利に貢献する方法は多様だからです
そこで、野球をデータから分析する手法(セイバーメトリクス)の研究者が開発した指標、それがWARです
WARは“Wins Above Replacement”の略称で、「ウォー」と読みます
代替可能選手と比較して、どれだけチームの勝利数に貢献したのかを表す指標です
例えば2022年ヤクルトの村上選手のWARは+10.4です。これは、村上選手が出場したことで、10勝分チームが多く勝てた」ということを表します
投手を評価する指標は防御率や奪三振率、打者を評価する指標は守備率やOPSなどがありますが、WARがあることで、全ての野球選手を同じ指標で評価することができるようになりました
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WARの計算方法
WARは貢献方法が多様な野球選手を、1つの指標で評価したものです
そのため、打撃・走塁・守備・投球の全ての要素を組み合わせて算出されます
WARの算出方法はかなり複雑です
例えば、打撃だけみても下記のような計算がされています
打撃指標
打撃指標=(wOBA-リーグ平均wOBA)÷1.24×打席
wOBA=(0.7×(四死球-敬遠)+0.9×(単打+失策出塁)+1.3×(二塁打+三塁打)+2.0×本塁打)÷(打席-敬遠-犠打)
打撃、走塁、守備、投球において同じような計算をし、総合的な指標としてWARが算出されます
WARの評価基準
WARは数値が大きければ大きいほど、優秀です
評価基準は以下が目安と考えられています
WAR | 評価 |
---|---|
6.0以上 | MVP級 |
5.0-6.0 | スーパースター級 |
4.0-5.0 | オールスター級 |
3.0-4.0 | 好選手 |
1.0-3.0 | 1軍レギュラー選手 |
1.0以下 | 1軍控え |
0未満 | 2軍以下 |
1軍レギュラー選手が1年間出場して2.0くらいが平均と言われています
WAR0は1軍と2軍を行ったりきたりしている選手です
WARの定義である「代替可能選手と比較して、どれだけチームの勝利数に貢献したのか」の「代替可能選手」がWAR0の選手となります
基本はWARの数値が大きい選手を使ったほうが、勝つ確率が高くなります
しかし、育成目的でWARの低い選手を使うことも戦略としてあるでしょう
2024年プロ野球WAR上位ランキング
2024年プロ野球のWAR上位10選手を紹介します(セ・パ混ぜての上位10選手)
ランキング | 選手名 | 球団 | WAR |
---|---|---|---|
1 | 近藤健介 | ソフトバンク | 7.9 |
2 | 栗原陵矢 | ソフトバンク | 6.5 |
3 | オースティン | DeNA | 5.3 |
4 | 岡本和真 | 巨人 | 5.0 |
5 | 近本光司 | 阪神 | 4.6 |
6 | 牧秀悟 | DeNA | 4.4 |
7 | 細川成也 | 中日 | 5.2 |
8 | 村上宗隆 | ヤクルト | 4.3 |
9 | 吉川尚輝 | 巨人 | 4.2 |
10 | 矢野雅哉 | 広島 | 4.2 |
ほとんど野手ですが、野手と投手が混ざっていますね
今までにない、全ての野球選手を1つの指標で評価していることがわかります
1位は近藤選手で、昨年に引き続きNPB全体TOPです
WARの問題点
WARは全ての野球選手を同じ指標で評価できる一方、問題点もあります
WARの問題点
- 1芸に秀でた選手が評価されづらい
- 投手(中継ぎや抑え)の評価が低い
- 守備ごとの補正の影響が大きい
それぞれみていきましょう
1芸に秀でた選手が評価されづらい
WARは打撃、走塁、守備、投球の全ての要素を組み合わせて算出されるため、走塁のスペシャリストやワンポイントリリーフなどの選手の評価が低くでます
しかし、実際の試合でスペシャリストのプレイは勝敗を決める価値があることが多いです
WAR以外の指標で総合的に選手を見ていく必要があります
投手(中継ぎや抑え)の評価が低い
中継ぎや抑えの選手のWARは全般的に低くでる傾向にあります
例えば、2022年セ・リーグホールド王である、阪神タイガース湯浅京己選手のWARは2.0で、1軍レギュラーの平均的な活躍というWARです
しかし、防御率1.09/奪三振率10.4/与四死球率1.9/43ホールドはWAR4.0以上あってもおかしくない成績です
守備ごとの補正の影響が大きい
WARで守備を評価する際、ポジションによって守備の難易度が異なるので、補正がされます
例えば、捕手は+18.1、セカンドは+3.4、ファーストは-14.1というように補正値が決まっています
しかし、ファーストはショートバウンドの捕球など、実は難易度の高いポジションです。この補正値が全体のWARに大きく影響を与えていると言われています
大谷選手の歴代WAR
メジャーでMVPを獲得する大谷選手のWARはどれくらいなのでしょうか
年度 | 球団 | WAR | タイトル |
---|---|---|---|
2024年度 | ドジャース | 9.2 | MVP |
2023年度 | エンゼルス | 10.1 | MVP |
2022年度 | エンゼルス | 9.6 | |
2021年度 | エンゼルス | 9.0 | MVP |
2020年度 | エンゼルス | -0.4 | |
2019年度 | エンゼルス | 2.5 | |
2018年度 | エンゼルス | 3.9 | 新人王 |
2017年度 | 日本ハム | 2.5 | |
2016年度 | 日本ハム | 10.3 | |
2015年度 | 日本ハム | 6.6 | 最多勝/最優秀防御率 |
2014年度 | 日本ハム | 7.0 |
二刀流が成功した2016年や2021,2022,2023年は驚異的なWARを記録しています
一方、肘の手術の影響で、打者に専念していた2018~2020年は大谷選手といえども2~3のWARになっています(2~3のWARでも凄いんですけどね)
しかも、2021年や2022年は指名打者として-1.7の補正がされています。それがなければ10以上のWARです
まとめ
今回の記事では、野球のWARについてわかりやすく解説しました
最後にポイントをまとめます
ポイント
- WARは代替可能選手と比較して、どれだけチームの勝利数に貢献したかの指標
- WARは打撃・走塁・守備・投球の全ての要素を組み合わせて算出される
- WARには投手(中継ぎや抑え)の評価が低いなど、問題点もある
これからは、勝利数や本塁打だけでなくWARにも注目してプロ野球を楽しみましょう!
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